手作りケーキには、一生消えない心の傷を持つかずさんです。
小学生低学年くらいだったでしょうか。
クリスマスに兄とふたりでスポンジケーキを買ってきたんですよ。
クリームとか、飾りとかがしていない、シンプルな奴ですわ。
飾り付けを自分たちでやろうって話になりましてね。
それが思いのほか、うまくできたんです。
そしたら、急に他の人にあげたくなくなっちゃんです。
このままの状態で母親にみせて、自慢したくもなりました。
その頃、祖父母と同居しておりまして、祖父母の部屋は台所の隣。
ケーキ作成中であることは知られてしまっています。
兄も同じ気持ちになったらしく、ケーキを守るには「祖父母にあげる用のお菓子を作るしかない」っていうことになりまして。
小麦粉を混ぜてホットケーキの出来損ないのモノを作り、それに生クリームをかけ。
そしたら、まだ熱いので生クリームが溶けてしまって、だらーーーっとなり。
それはもう悲惨な状態の「食べ物」を祖父に渡したんですよ。
そしたら祖父はすぐに、
「うまい!うまい!」って笑いながら食べてくれました。
絶対にうまいはずがないんです。
今思えば、孫が作ってくれたものを「まずい!」なんて言うはずがない。
だから本当に美味しいと思ってくれたのかもしれない。
その時わたしたちは、自分たちの卑しい気持ちに脳天チョップされたような感覚になりました。
兄も私もすぐに先ほど完成したケーキを切って
「これも作ったから食べて!」
といって、祖父に食べてもらいました。
あの時の気持ち
・独占欲
・罪悪感
・祖父のやさしさ
・自分たちのあさましさ、卑しさ
兄と会うたびに必ず出てくるこのエピソード。話していると絶対に泣いてしまいます。
一瞬で本当にいろいろなことを教えてもらった体験です。
あまりにも鮮烈すぎて、手作りケーキを見るたびに、あの悲惨なホットケーキまがいの祖父にたべさせた物体が脳裏によみがえってしまいます。
な、なみだが。。。。
自分の思い出話を長々と書いてしまってすいません。
本題に戻しましょう。
わが家では、クリスマスや誕生日、ケーキが必要な場面では、必ず嫁さんが手作りのケーキを作ってくれます。
手作りのケーキって、こんなにおいしいものだったんだと初めて知りました。
これって、絶対にいちばんの誕生日の思い出になりますよね。
これがわが家の定番ですから。
下の子は、どうやら他の家庭もケーキは手作りだと思っている様子。
自分たちの子供にも作ってあげるようになるのかなぁ。
良い伝統がどんどん受け継がれていくといいなぁ。
わたしにはセンスがないので、どうか嫁さんの遺伝子を受け継ぎますように。
何が記憶に残るかわからないですが、とにかくこれからも楽しい思い出が多く残るような子供時代にできるよう、親として心がけたいと思います。
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